浜離宮朝日ホール|朝日ホール通信

1992年オープンの室内楽専用ホール。特にピアノや繊細なアンサンブルの音色を際立たせる設計でその響きは世界でも最高の評価を受けています。


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渡辺香津美&沖仁ギター・デュオ¥7,00020223/11(金)1/18(火)発売19:002人のスーパー・ギタリストジャンルを超えた必然の出会い渡辺香津美と沖仁がはじめて共演したのは2011年のことだ。当時の渡辺は、すでに日本を代表するジャズ・ギタリストとしてのポジションを確固たるものとしていたが、その一方で、デビュー時から一瞬たりとも停滞させたことのない新たな可能性の追求を、より加速化させている最中だった。その一つが、異ジャンル異世代アーティストとのコラボレーションだ。福田進一、村治佳織&奏一、鈴木大介、小沼ようすけ、井上銘らとの共演は、ギター・ミュージックという地平に、いまだ未発掘の宝がどれほど埋蔵されているかを改めて我々に知らしめたのだった。そんな中でもとりわけ鮮烈な印象を残したのが、沖仁との邂逅だ。2010年、ムルシア“ニーニョ・リカルド”フラメンコギター国際コンクール国際部門でアジア人としてはじめて優勝を果たした沖は、もちろんその軸足はフラメンコに置いていたわけだが、ティーンエイジャーの頃からロック、クラシック、ジャズなど多岐にわたる音楽を貪欲に吸収し、独自の表現を模索し続けずにはいられなかったその性(さが)は、まさに渡辺と同種のものだった。そんな2人が出会うのは、いわば必然であった。はじめて一緒に音を出した瞬間から意気投合した彼らは、以後折に触れて共演を重ね、2015年には共同名義でのライヴ・アルバム『エン・ビーボ!~狂熱のライブ~』を発表。熱気とエネルギーに満ちたパフォー4©YosukeKomtasu(ODDJOBLTD.)渡辺香津美沖仁マンスは、現在進行形で音楽ファンを魅了し続けている。その渡辺と沖のデュオ・コンサートが、ついに浜離宮朝日ホールで実現する。2021年にプロ・デビュー50周年を迎えた渡辺は、様々な形態のアニヴァーサリー公演をおこなったが、その中には沖とのデュオも含まれており、両者のコンビネーションはただいま絶好調。現時点ではプログラムの詳細は未定だが、当ホールをイメージした渡辺書き下ろしの新曲が披露されるほか、「5分でわかるジャズ・ギター/フラメンコ・ギターのツボ」というコーナーも企画中とのことである。我が国を代表する2人のスーパー・ギタリストによる白熱のパフォーマンスを、ぜひナマで体験していただきたい。文/藤本史昭


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